The Ordinary Unseen - Tohoku -

 

2011年3月11日、私の住む仙台市で地震が起こり、津波が来た。3月17日、被災地に入ったけれど、最初は何を撮ればいいのかわからなかった。全ての物が破壊され、水の力で街がなくなっていた。がれきと悲しみしか見いだせなかった。ただ、祈りながらシャッターを切った。

何度も何度も撮影に通ううちにだんだんと季節がめぐって来た。初夏には海から心地よい風が吹き、ここはどんなにか気持ちの良い場所だっただろう、と想像せずにはいられない。梅雨明けの日には、海もがれきも真っ赤な夕日に包まれた。きれいだった。目の前にあるのは破壊されたものばかりで、がれきの山は大きくなり続けているけれど、そこには、何物にもくずせない美しいものが確かにあった。

エネルギーは、壊されることも創られることもない。ただ形を変えて存在し続ける。
                                                              - アルバート・アインシュタイン -

被災地は、津波で突然奪われた、たくさんの命のエネルギーに満ちているに違いない。この作品で、私は、永遠の命の輝きを表現したい。それが、私が被災地で感じた、何物にもくずせない美しいものだと信じている。